源氏物語　語りと絵巻の方法

石井正己著
A5判・上製本・392頁
2024/7/4刊

物語の場に注目し、『源氏物語』と『枕草子』に見られる宮廷の世間話を考究。『源氏物語絵巻』に描かれた女房を物語における語り手の姿を具象化した存在として捉え、文学研究から見た「語りと絵巻の方法」を解明する。
【目次】
『源氏物語』と口承文芸の往還
Ⅰ 語られた『源氏物語』
　女性たちの『源氏物語』
　追体験する昔物語
　「夕顔」の巻冒頭の贈答歌
　『源氏物語』の世間話
　生霊事件と噂の視点
　洪水神話と『源氏物語』
Ⅲ 描かれた『源氏物語』
　『源氏物語絵巻』に描かれた女房
　『源氏物語絵巻』の「蓬生」
　『源氏物語絵巻』の「柏木(一)」
　二千円札の『源氏物語絵巻』
　『源氏物語絵巻』の「橋姫」
　『源氏物語絵巻』の方法
Ⅴ 『源氏物語』とその周辺
　隠し据えられた女、浮舟
　怪談と『源氏物語』
　物語の場としての宮廷
　物忌の場と世間話
　女三の宮の立ち姿
　勝川春章の「雪月花美人」
　私たちは文学を伝えられるか

三弥井書店